8.実地調査だけが税務調査じゃない
オオカミの襲来
ある日のこと、ブタ太が兄弟3人で機嫌よく遊んでいると、オオカミがいきなりやってきて、コブシを振り上げました。
「ブタ太ー、お金を持ってくる日は昨日だったはずだぞー!」
「うわー、ごめんなさ〜い!」
慌てふためいて、逃げ回るブタ太を見ながら、ブタ三がつぶやいています。
「やれやれ、お兄ちゃん、また忘れたのか……」
たぬきの来訪
実は、最初のオオカミとの約束で、約束の期日までにお金を持ってこない場合は、2割増しになるという約束になっていました。
翌日、たぬきから電話がかかってきました。
「ブタ太、おまのノートをチェックしたところ、オオカミのところに持って行く予定のお金は100円だったから、2割増の120円を明日までに持って行けよ。もし遅れたら、今度は4割増になるからな!」
「え〜、そんな〜……」
まだ話を続けようとするブタ太を尻目に、たぬきはそそくさと電話を切ってしまいました。
税務調査の場合
さて、ここまでをまた、税務調査に置き換えて見てみると……。
納付期限を過ぎているのにまだ税金を納付していないため、税務署であるたぬきが調べて、2割増という無申告加算税の賦課決定(実際の無申告加算税の割合は単純に2割ではありませんが)をしたことになります。
税務署のたぬきは、会社であるブタ太のところには行ってはいませんが、これも税務調査に該当します。
つまり、会社に調査官が来なくても、税務調査に該当する場合はあるという訳です。
当のブタ太はと言うと、忘れてしまうと恐ろしいことが起きるので、たぬきから電話がかかってきたその日のうちに、オオカミのところにお金を持っていきました。