6.ウサギ、登場!
帳簿残高と金額が合わない
「おい、ブタ太! また抜けてるぞー!」
たぬきが怒るのも無理はありません。というのも、たぬきがノートのチェックをしてから、まだ一度も貯金箱に入っているお金とノートに書かれている金額が合ったためしがなかったからです。
もうすでにわかっているとは思いますが、念のために、もう一度貯金箱とノートの関係を振り返ってみましょう。
このように、お小遣いをもらった時とおやつを買った時に、きちんとノートに書いていれば、ノート(帳簿残高)と貯金箱の金額は必ず一致するはずです。
ウサギへの電話
怒り疲れたたぬきは、ウサギに電話をかけました。
「ウサギちゃん、実はかくかくしかじかこういう事なので、ブタ太にちゃんとするように教えてあげてくれないかな〜」
「いいわ。ちょうど明日、ブタ太さんと遊ぶ約束をしてるから、その時に教えてあげる」
やさしいウサギは、たぬきの依頼をあっさり受け入れてくれました。
翌日、ウサギは、ブタ太の家に遊びに行きました。家でゲームをしようとグズるブタ太にウサギもがんばります。
「せっかくこんなにいいお天気なんだから、お外で遊びましょうよ」
「そうだね、いい天気だし、外で遊ぼうか。あっ、ちょっと待ってて、お小遣いもらってくるから」
レッスン開始
お母さんブタからお小遣いをもらったブタ太は、すぐにポケットに入れようとしました。
「ブタ太さん、ポケットに入れる前に、ノートに書かなきゃダメでしょ」
「おっと、そうだったね」
ウサギの言う事には、素直に従うブタ太でした。
ウサギとブタ太が外に出て、ちょうど花屋の前を通りかかった時の事です。
「まぁ、きれいなチューリップだこと!」
立ち止まるウサギを見て、ブタ太はこう言いました。
「お母さんブタから200円もらったから、ボクからプレゼントするよ」
180円でチューリップの花を1輪買ったブタ太は、すぐにウサギにプレゼントしようとしました。
「ブタ太さん、すっごく嬉しいんだけど、その前にノートに書いてね」
「あっ、また忘れるところだった」
笑顔の裏側で、「こんな調子で大丈夫なのかしら……」と 心の中でつぶやくウサギでした。