こんにちは、松井です。
最初のコラムなので、「経営者が抑えておくべき一番大事な数値」の話からしたいと思います。
数字にウトい経営者が、たった1つだけ、これだけは毎月確認すべき数字を教えてほしいと聞かれたら、私は「労働生産性」と答えます。
労働生産性という、なんとも小難しい響きを聞いて、数字にウトい経営者の方はもちろん、そうじゃない方も、眉にシワを寄せてしまうかもしれません。
厳密な意味での「労働生産性」は、結構ややこしい話なのですが、私が言っている「労働生産性」はもっとシンプルな話。
わかりやすい表現で言うと、「1人当たりの粗利」です。
厳密には違うのですが、「1人当たりの粗利」という言葉が少し長ったらしいので、「労働生産性」という言葉を使っているだけです。
粗利とは、シンプルに商品・サービスを売ったら、いくら儲かったか。
小売業や卸売業なら、売上金額から仕入金額を引いた金額です。
粗利÷売上高=粗利率と考えると、粗利率は小売業で20〜30%くらい、卸売業で10%前後、ものづくりされているところなら20〜50%、私たちのようなサービス業で80〜90%程度。
粗利がサッとわからなければ、売上高に上記の粗利率を掛ければ粗利は出ます。
1ヶ月の粗利を出して、働いている人数で割ります。
社長と3人の正社員がいる会社なら、1+3=4人で割る。
パートさんが2人いるなら、1人を0.5人と考えて、2人で1人とカウントする。
こうやって、1人当たりの粗利=労働生産性を出します。
計算結果は、いくらになったでしょうか。
100万円以上なら、おめでとうございます!
順調です。
80万円〜100万円なら、とりあえず安心です。
60万円〜80万円なら、普通です。
60万円未満だと、ちょっと危険です。
粗利率が低すぎるか、売上高が低いか、規模に対して働いている人が多すぎるか。
いずれにしても、何らかの対策が必要です。
とまぁ、今の経営状況がどうなのかが「ひと目」でわかるという訳です。
信号にたとえると、
80万円以上:青信号
60万円〜80万円:黄信号
60万円未満:赤信号
というところでしょうか。
この労働生産性が優れているのは、会社を作ったばかりの社長1人の会社と誰もが知っているような有名な上場企業を、横並びに比較できるということです。
もしもまだ労働生産性が60万円に達していなければ、まずは60万円を目指しましょう。
80万円に達していなければ、80万円を目指しましょう。
100万円に達していなければ、100万円を目指しましょう。
では、100万円を超えていたら⋯⋯?
さらに高い労働生産性を目指してもいいですが、人数を増やして売上高、粗利をもっと増やすという選択肢も出てきます。
という訳で、たった1つだけ数値を抑えるのなら、私は「労働生産性」をオススメします。