こんにちは、松井です。
会社経営も、人間の健康と同じように定期的なチェックが必要です。ただ、数字を見てもピンとこない……。そんな経験はありませんか?
会社の健康診断とは、経営に必要な指標を定期的に確認し、改善点をみつけるためのプロセスです。
具体的にチェックする項目は、下記のとおりです。
①キャッシュの増減
②売上の安定性
③利益水準
④人件費の割合
⑤借入金の返済バランス
ひとつずつ、説明していきましょう。まずは、「①キャッシュの増減」。キャッシュは、身体にたとえると「血液」そのもの。全身(会社)に栄養(資金)を運び、各組織(部門)が正常に機能するために不可欠です。
また、キャッシュの増減のチェックは、「血液検査」のようなもの。ある意味、最も基本的な指標と言えます。最低でも毎月チェックすることをオススメしますが、ここでは3期分をチェックして、キャッシュが増えているか、減っているかを見ます。
キャッシュの適正水準は一概に言えませんが、一般的には月間売上高の2〜3ヶ月分を目安にするといいと思います。
次に、「②売上の安定性」です。売上は、身体を動かすためのエネルギー源。つまり、「カロリー」に該当します。十分なカロリーがないと、活動する力を失います。
売上が乱高下するのは、ストレス状態の身体と同じ。安定させるしくみが必要です。毎月の売上が割と安定しているストックビジネスの場合はいいのですが、大抵の会社では季節変動があるので、毎月の売上をチェックするだけでは十分とは言えません。
ここでは、あるテクニックを使って、売上が右上がりなのか、横ばいなのか、右下がりなのかを判断します。当然のことながら、右下がりになっていることがわかったら、早急に対策が必要となります。
上記のように、季節変動がある場合、感覚的には何となくわかっても、決算を迎えないと明確に認識できないため、対策が遅れるリスクがあります。
次は、「③利益水準」です。利益は、「体力」そのもの。活動を維持するために必要不可欠です。体力がないと、一時的に動けてもすぐに疲れてしまいます⋯⋯。
食べすぎると太るように、経費が過大になって利益を圧迫すると、脂肪過多に陥ります。利益は増えていればいいのですが、どの利益に着目するかも重要です。
次は、「④人件費の割合」です。人件費は、会社の「筋肉」に該当します。筋肉は会社を動かすために必要ですが、増えすぎると身体が重くなり、逆に機動力を失うことがあります。
筋肉が多いほど、維持するためのカロリー(売上)が必要になるので、バランスが大切です。
粗利に占める人件費の割合を「労働分配率(人件費÷粗利)」と呼びます。労働分配率は、業界によっても適正水準は異なるのですが、ポイントは適正水準で安定しているかどうかです。安定しているか、減少傾向にあれば「順調」と言えます。
最後に、「⑤借入金の返済バランス」です。借入金は、「点滴」のようなものです。カロリー不足になった時、外部から補給される点滴のおかげで、急速に元気になることができます。
ただし、過剰に借り続けると、自力で活動できなくて、薬物依存(借金依存)になります。1年間の理論上の現金増加額と借入金の返済額を比較して、現金増加額の方が上回っていれば、少なくても借入をしなくてもキャッシュは足りている状態ですから、とりあえず順調と言えます。
「会社の健康診断」は、経営の安定と成長に欠かせません。ぜひ一度、現状を見直してみてはいかがでしょうか?
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