キャッシュフロー会計って大事?

こんにちは、松井です。

社長との会話で、こんな展開になることがあります。

私「決算月が近づいてきましたが、今のところ、利益が◯◯円出ています」

社長「えっ、手元キャッシュは◯円しかないのに、利益は出ているのですか?

どうして利益がそんなに出ているのに、キャッシュは増えていないのですか?」

割とよくあるパターンの会話です。

すべてのビジネスが現金商売だったらわかりやすいのです。

商品を仕入れる際に、商品と交換にすぐに現金を払って、お客さんに商品を売った時に現金を受け取る。

パソコンが故障したので、近所の電気屋さんでパソコンを買って、現金で支払う。

オフィスの電気代やネットのサーバー代を現金で支払う。

こんな感じで、商品やサービスの動きと同時に現金が動いていれば、利益が100万円出たら、キャッシュも100万円増えているので、わかりやすい。

でも、実際には少なからず「掛け(かけ)」というものが出てきます。

私たちが子供の頃の言葉で言うと、「これ、ツケにしておいて」と言うツケみたいな感じでしょうか。

商品を100万円売っても、すぐにお金がもらえる訳ではなく、大抵は翌月か翌々月に入金されますよね。

これが「掛け」です。

会計用語で言うと、売上の「掛け(かけ)」を「売掛金(うりかけきん)」、仕入の「掛け」を「買掛金(かいかけきん)」と呼びます。

この「掛け」がくせ者なのです。

では、どうすればいいのか。

ここで登場するのが「キャッシュフロー会計」という言葉。

おそらく、キャッシュフロー会計という言葉を聞いたことはあると思います。

でも、どういうことなのかと聞かれると、明確に答えることはできないのではないでしょうか。

キャッシュフロー会計の話は、またじっくりとしてみたいと思いますが、そんなに簡単ではなく、しかも苦労が多い割に⋯⋯という部分がなきにしもあらず。

ですので、ここではもっとシンプルなお話をします。

ポイントは、たった一つ。

「売上の回収をできるだけ早くして、仕入や経費の支払いをできるだけ遅らせる」ということです。

今の回収条件が、月末締めの翌月末払いだったとすると、翌月20日とか25日に払ってもらえないかを交渉します。

少しでも早く回収できるように交渉する訳です。

逆に支払いの方も、月末締めの翌月末払いだったとすると、翌々月の5日に払うように交渉します。

こちらは、支払うタイミングを少しでも遅くなるように交渉します。

ここでのポイントは、支払うタイミングよりも回収するタイミングを早めるということです。

これがうまくいったからと言って、先程の利益とキャッシュが一致する訳ではありませんが、資金繰りが格段にラクになります。

資金繰りに気を配らなくてもよくなると、事業に専念できます。

たったこれだけのことで、赤字が黒字化して、事業がどんどん上向いていった会社を数多く見てきました。

だまされたと思って、やってみてください。